暗い横丁に”あなご”と書かれた提灯が下がっている。
まるで昭和の映画シーンのような佇まい、笑顔のいいご主人と
奥さんお二人でやってられるお店です。
焼き穴子、フライ、酢の物、全部が美味しい。
あの四谷三丁目を少し歩いて、ちょっと入ればこの横丁、
こんなに美味しいお料理が頂けるなんて信じられない。
御馳走してくださったのは、あの”すいか”のやかんの伊藤さん。
帰り間際に「ご主人”やかん”ありますか?」 と 尋ねて下さったのです。
当の本人の私は気が弱くていつも友達が口を切ってくださるのを
待っている。どうしても云えないのです。
「”やかん”じゃなくてうちは鉄瓶だよ」
カウンターの奥に鉄瓶は七輪の上でチンチンとお湯が沸いていました。
カメラを向けるとカウンターに座っていた男のお客さん、
横向きは駄目だ! 尻から撮れとか、上からねらえ、炭火も撮れよ
など、指示をされる。どうもテレビ関係の人らしいのです。
云われるままに撮った鉄瓶はなんといきいきと働いている様子が
写っていました。
あのテレビ方はやはり凄い!